二口女(ふたくちおんな)は後頭部に口がある女の妖怪。人前では決して食事をせず、誰も居ない隙を見て数人分の食事を平らげるという。
長壁姫(おさかべひめ)は、姫路城に隠れ住むといわれる女性の妖怪。城の運命を告げる為年に1度城主の前に姿を現す。
表記・呼称 | 長壁姫(おさかべひめ)、小刑部姫、刑部姫、小坂部姫 |
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簡易解説 | 姫路城に隠れ住むといわれる女性の妖怪。城の運命を告げる為年に1度城主の前に姿を現す。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 人の心を読む。 |
伝承地 | 兵庫県 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 『甲子夜話』、『諸国百物語』、『西鶴諸国ばなし』、『今古實録 増補英雄美談』 |
登場創作物 |
伝承によってその容姿は様々ですが、鳥山石燕『今昔画図続百鬼』では、着物を着た老婆の姿として描かれています。
「天守閣が築かれた姫山の神で城を守っていた」とか、「元は於佐賀部狐という老いた狐で、八百匹の家来を従え、人の心を読み化かしていた」、などの説があります。
姫路城が建つ姫山にある「刑部(おさかべ)大神」が名前の由来です。
天守閣の一番上に住んでおり、人間を嫌っている為人前に現れることはほとんどありません。年に1度だけ城の運命を告げる為に城主の前に姿を表すといわれ、危険というよりむしろ親切な妖怪にも思えます。しかし城主が長壁姫の機嫌を損なうような行為ばかりしていたら、呪い殺すなどという話もあり、安心して共同生活できるような妖怪でもなさそうです。
さらに江戸時代の怪談集『諸国百物語』では次のような説話が載っています。
姫路城天主閣で病に伏した池田輝政を治すべく、祈祷をしていた比叡山の阿闍梨の前に、30歳ほどの妖しい女が現われました。彼女は何故か阿闍梨に城を出て行くよう命じます。治療の最中だというのに何事かと阿闍梨は逆にその女を叱りつけました。すると身の丈2丈(約6メートル)もの鬼神に変化して、阿闍梨を蹴り殺して消えていきました。
・・・長壁姫の言うことは素直に聞いておきましょう・・・。