付喪神(つくもがみ)は、古い道具に宿るといわれる精霊。付喪神が宿った道具を捨てようとすると、恨みから悪戯をされる。
ジャンジャン火(ジャンジャンび)は、古木に出現するといわれる怪火。貴族や武将などの死者の怨念が火となったもの。
ジャンジャン火のイメージ
表記・呼称 | ジャンジャン火(ジャンジャンび)、じゃんじゃん火(じゃんじゃんび、ホイホイ火(ホイホイび)、残念火 |
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簡易解説 | 奈良県各地に出現するといわれる怪火。貴族や武将などの死者の怨念が火となったもの。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 祟り |
伝承地 | 奈良県(奈良市白毫寺町、大和郡山市、天理市藤井町、天理市柳本町、田井庄町、橿原市) |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | |
登場創作物 |
奈良県各地に伝わる怪火の妖怪です。地域によって別の伝承がありますが、そのうちの一つに、「雨の降る日に“じゃんじゃん”と音を立て、長い尾を引く青い玉のような姿で飛び回る」というものがあります。この火を見た人は病気にかかったり、高熱を出したり、火事に巻き込まれて死んでしまうとされています。
貴族や武将、心中者など恨みを抱いて死んだ者の霊が火の玉に姿を変えたものといわれており、火の玉の中をよく見ると男の顔が見えるといいます。
この妖怪については「ジャンジャン火」という呼称が有名ですが、同じ奈良県でも地域によって違う伝承と呼称があります。
■ホイホイ火
天理市柳本町、田井庄町、橿原市では「ホイホイ火(ほいほいび)」とも呼ばれています。天理市の十市城の城跡には、武将・十市遠忠氏の怨念の籠もった魂が眠っているといわれており、城跡に向かって「ホイホイ」と叫ぶと、火の玉が出現し「ジャンジャン」という叫び声を上げて消えていくことからです。
■残念火
天理市藤井町では、殺された武士たちの魂が「残念、残念」と言っていたことから、「残念火」と呼ばれています。実はジャンジャン火というのは「残念、残念」が「じゃん、じゃん」に聞こえることに由来しています。