川天狗(かわてんぐ)は、天狗に嫁入りした女の妖怪。天気の悪い日に現れ、幻聴や幻覚で人をたぶらかすという。
舟幽霊(ふなゆうれい)は、雨の日海に出ている舟の前に現われて、様々な怪異を引き起こす。
表記・呼称 | 船幽霊、舟幽霊(ふなゆうれい)、亡者火(もうじゃび)、亡者舟(もうじゃせん)、ボウコ、アヤカシ |
---|---|
簡易解説 | 舟幽霊(ふなゆうれい)は、雨の日海に出ている舟の前に現われて、様々な怪異を引き起こす。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 諸説在り |
能力・特性 | 幻影、怪音など |
伝承地 | 山口県、佐賀県 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 『今昔画図続百鬼』、 |
登場創作物 | ゲゲゲの鬼太郎、まんが日本昔ばなし |
舟幽霊は日本で海上生活者の間に語り継がれる海の妖怪です。海に出ている舟の前に現れ、舟のバランスがおかしくなる、航路に巨大な岩が現れる、といった怪異を引き起こします。雨、満月・新月、霧のかかった日などに出やすいといわれます。
怪異の一つに、舟幽霊が舟に上ってきて、「酌貸せ酌貸せ」と叫びだし、恐ろしさから酌を渡してしまうと、次々と酌で海水を船に組み入れ、舟を沈めてしまう、というものがあります。対策としては、酌貸せと言われたら「底のない酌」を渡せば、いくら汲み入れられても海水はたまらず、あきらめて帰っていくといわれています。
他にも、
など恐ろしい妖怪として言い伝えがほとんどです。
その姿は伝承によって異なり、青白い手だけが出てくるもの、人の姿で出てくるもの、舟の姿で出てくるもの、怪火・怪音など現象として現われるもの、など様々です。
水難事故で亡くなった人の霊が化けたものといわれています。そのため亡者火、亡者舟とも呼ばれています。生きている人間を亡者の世界に引きずり込もうとしているのだとか。
海には豊富な海産資源があります。海に囲まれた環境に暮らす日本人は、他のどの民族よりその恩恵を受けてきたといっていいでしょう。しかし昔は今のように航海術や造船技術が発達していなかったので、海が荒れると遭難してしまうことは珍しくありませんでした。昔の人々にとって、海というのは今以上に恐ろしい存在だったのです。そして人々は海には神や妖怪がいて、海の災害は妖怪の仕業と考えるようになりました。