平安時代の伝承には鬼が頻繁に登場します。そして大体が怨霊の化身だったり、人食いだったり、とりわけ人に害をなす恐ろしい存在として描かれています。
百鬼夜行という都の夜を歩く化物行列が登場す
最古の書物『古事記』には有名な妖怪「土蜘蛛」の名が登場する(なおイラストは江戸時代の『今昔画図続百鬼』より)
妖怪の歴史は書物で確認できる限りは奈良時代にまで遡ることができます。この時代の書物には、神が零落して妖怪となったり、妖怪が祀られるようになり神となったり、ある地域では神でも他の地域では妖怪とされたり、といった話が多く、見受けられ、神と妖怪が表裏一体の存在とされる理由がよくわかります。
登場する妖怪:ヤマタノオロチ(日本書紀での表記は「八岐大蛇」)、鬼、天狗、人魚
日本書紀には人魚に関する最古の記述があります。現在の大阪府にあたる摂津国で、漁師の網に人とも魚ともつかぬ生物が捕らえられたというものです。
登場する妖怪:ヤマタノオロチ(古事記での表記は「八俣遠呂智」)、土蜘蛛、鬼
大蛇妖怪「ヤマタノオロチ」は、古事記に収録された説話の一つ「大蛇退治」に登場します。タイトル通り、ヤマタノオロチが高天原を追放されたスサノオに退治されるというお話です。
登場する妖怪:鬼
出雲国風土記に収録された説話の一つに「阿用郷」というものがあります。ある男が畑仕事をしていると、突然1つ目の鬼に襲われてしまったというお話です。