表記・呼称 | スッポン |
---|---|
簡易解説 | 美味な健康食材として有名だが、実は妖怪の一種。自分を食ったり売った者を祟る伝承が有名。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | スッポンの呪い |
伝承地 | 名古屋 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 『北越奇談』、『怪談旅之曙』 |
登場創作物 | 妖怪ウォッチ |
スッポンは、健康食品として人気があり、日本人には馴染みの水生生物ですね。弥生時代の遺跡から骨が見つかったという記録がありますし、江戸時代から痔に効くと言われて食べられていました。
しかし実はこの生き物、狸や狐などと同様に、地域によっては妖怪視される動物の一種でした。人間の子供をさらったり、生き血を啜ったりする池の主として恐れられたそうです。また食いついたら雷が鳴るまで離さないといわれることから、執念深い性格とされています。そんな性格を表す伝承が色々あります。
伝承1
江戸時代に刊行された奇談集『北越奇談』には、スッポン料理で繁盛していた男が、ある日寝床で無数のスッポンの霊に苦しめられるという話があります。
伝承2
また名古屋には、行先の店ですっぽん料理を毎日のように食べていた男が、ある日スッポンの霊に取り憑かれて、顔や手足がスッポンのようになってしまった、という話が残されています。
伝承3
『怪談旅之曙』には、スッポン売りの百姓がスッポンの霊に祟られて、生まれてきた子供が口先がとがり、手足に水かきがあるスッポンのような姿になってしまったという話がのっています。
まさに喰われたスッポンの怨念にまつわる話ばかりで、食いついたら離さないように、死してなお自分を死に追いやった人間にしがみついて復讐しようとしているのでしょう。
上記のような話を受けてかどうかはわからないのですが、すっぽん料理店の店主が神社でスッポン供養をされることは珍しくないようです。
またすっぽんの産地として有名(全国の約6割のすっぽんが浜松産)な静岡県浜松市では、スッポンに対する日頃の感謝の意を捧げる「すっぽん供養祭」という伝統行事も行われているようです。
恐い伝承があろうがなかろうが、生き物の命を頂いていることに感謝の念を示すことは、とても大切なことですよね。