二口女(ふたくちおんな)は後頭部に口がある女の妖怪。人前では決して食事をせず、誰も居ない隙を見て数人分の食事を平らげるという。
垢嘗(あかなめ)は、風呂場に現れ、桶の垢や天井の汚れを舐める不潔な妖怪。
表記・呼称 | 垢嘗(あかなめ)、垢ねぶり |
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簡易解説 | 風呂場に現れ、桶の垢や天井の汚れを舐める不潔な妖怪。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 垢を嘗める |
伝承地 | 不明 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 『画図百鬼夜行』、『古今百物語評判』、『百種怪談妖物雙六』 |
登場創作物 | 妖怪ウォッチ、ゲゲゲの鬼太郎、奇異太郎少年の妖怪絵日記 |
「垢嘗」は夜人が寝てる時に風呂場に現れ、桶の垢や壁の汚れを嘗める不潔な妖怪です。風呂場に現れて垢を舐めるだけで、特に人に危害を加えるということはないようです。しかし気持ち悪いものは気持ち悪いので、昔は「風呂場を綺麗にしなければ垢嘗が出るぞ!」とその存在が戒めに利用されたようです。
鳥山石燕による江戸時代の妖怪画集『画図百鬼夜行』では、足に一つのかぎ爪がある男が、長い舌を出して風呂場を覗いている姿が描かれています。歌川芳員『百種怪談妖物雙六』では、体色が緑でウロコのような肌なので爬虫類っぽさがあります。またその他の創作物では、垢嘗の「垢」が「赤」を連想させることから、赤い姿で描かれることも少なくありません。
垢嘗の元ネタは、江戸時代の怪談本『古今百物語評判』に登場する「垢ねぶり」だと思われます。そして垢ねぶりは、風呂場の垢や汚れが積もり積もって変化して生まれたといわれています。
「垢嘗の食べ物は垢だ」と言われるのは、水から生まれた魚は水を口にし、シラミから生まれたシラミはシラミを口にする、といったように、昔の常識では、あらゆる生物は生まれた場所にあるものを食べると考えられていた為です。