和漢三才図会より「猩猩 」
表記・呼称 | 猩々(しょうじょう) |
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簡易解説 | 顔は人間、体は獣の人語を解する化け物。酒が好きで、酒樽一個飲み干すという。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 大酒飲み、丈夫な体 |
伝承地 | 山梨県、岩手県、和歌山県、愛知県 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | |
登場創作物 | もののけ姫、妖怪大戦争2005年版 |
猩々は、顔は人間、体は獣の姿をした妖怪です。人語を解し、顔や毛まで全身赤いと言い伝えられています。また大酒呑みともいわれます。この妖怪については各地で様々な伝承があります。
■山梨県の伝承
猟師が山で身長2mほどもある猩々を見つけ、発砲し命中しました。ところが猩々は傷を痛がる様子もなく、傷口にそこらの草をつめたら、平気な顔で山奥へ去っていったのです。
■岩手県の伝承
猩々の噂を聞き、その姿を一目見たいと、砂浜に酒樽を仕掛けておきました。すると海から猩々が現われて樽の酒を飲みほしたのです。猩々は酔っ払い樽の中に落ちてしまいました。中を覗くと猩々が飛び起きて海の中へ帰って行ったといいます。
■愛知県の伝承
愛知県南部の秋祭りでは、作り物の猩々の中に人が入り、祭りの中を練り歩くというパフォーマンスが行われます。これには厄除けの効果があるといわれています。
■和歌山県の伝承
ある若者が天神崎の立戸の浜で笛を吹いていました。その笛の音に聞き惚れた海に棲むメスの猩々が、笛のお礼にと自分の毛に針をつけて釣り具として与えたそうです。それは餌がなくとも望みの魚が獲れる万能釣り具だったそうです。以後その釣り場が「猩々」と呼ばれるようになりました。
宮崎駿監督の「もののけ姫」は、「森の神」として様々な妖怪(もののけ)が登場するわけですが、中盤あたりで森の賢者と呼ばれ、人語を話し、赤い目のオランウータンのような姿をした猩々が出てきます。(ちなみに猩々はオランウータンの和名でもあります。)
劇中では、森を蘇らせる為に、人里近くに下りてきて樹を植え続けていますが、破壊のペースに追いつきません。相当追い詰められているのか、人間の力を得る為に、人間を食べようとしていました。
人間がどれだけ動物たちの恨みを買っているのか、ということを印象づける存在でした。