妖怪「豆腐小僧」の伝承・正体・名前の由来

「豆腐小僧」(竜斎閑人正澄画『狂歌百物語』より)

 

豆腐小僧は、豆腐小僧は、草双紙(江戸期の大衆本)や錦絵(江戸期の木版画浮世絵)などに描かれている日本の妖怪です。笠をかぶり、丸い盆に乗った豆腐を持っている頭の大きな子供の姿でよく描かれています。

 

当記事ではそんなかわいらしい見た目をしている豆腐小僧について、その正体・伝承・名前の由来に分けて解説していきます。

 

 

豆腐小僧の伝承

豆腐小僧が現れるのは雨の夕暮れ時と言われています。

 

現れても特に悪さはせず、豆腐を持って立っているだけであったり、転んで豆腐を落としている姿が目撃されたり、ただ人の後をつけて歩くだけであったり、少しお茶目で怖くない妖怪として親しまれています。

 

絵によっては一つ目で描かれていたり、大頭小僧という名前で同じ姿の妖怪が描かれていたりと豆腐を持った子供という共通点以外は絵や作品によって豆腐小僧の姿に解釈が違いがあるようです。

 

昭和・平成以降の文献では豆腐小僧の豆腐を食べたものは、全身がカビだらけになってしまうという設定もあり、作品によっては妖怪らしい怖い一面もみることができます。

 

豆腐小僧の正体

豆腐小僧は豆腐屋の宣伝の為に生み出されたキャラクターともいわれています。

 

実は豆腐小僧の持っている豆腐には豆腐屋のマークとされていた紅葉が描かれており、その紅葉は豆腐を「買うよう(紅葉)」という駄洒落であるとされています。

 

確かにしっかり宣伝キャラクターとしての仕事をこなしていますね。

 

豆腐屋の宣伝キャラクターとして描かれたキャラクターが豆腐小僧の正体とすると、妖怪らしからぬ設定にも納得がいきますよね。

 

その愛嬌からかなり人気があったようで、かるたやすごろくにも描かれるような大スターだったようです。

 

豆腐小僧の名前の由来

豆腐小僧の名前の由来は豆腐を持った子供(小僧)で豆腐小僧。そのままですね。

 

もうひとつの名前である大頭小僧の由来は豆腐小僧がどの絵でも頭が大きく描かれていたことからそう呼ばれるようになったのだとか。

 

 

 

以上が豆腐小僧の解説となります。

 

妖怪というと怖くて人ではない何かというイメージが強いですが、中には豆腐小僧のような人に危害を加えないかわいらしい妖怪もいるんですね。

 

いまでもその人気は衰えず、アニメや漫画、主役の映画も制作されているようです。気になる方はぜひ豆腐小僧の活躍をチェックしてみてください。