付喪神(つくもがみ)は、古い道具に宿るといわれる精霊。付喪神が宿った道具を捨てようとすると、恨みから悪戯をされる。
大首(おおくび)は、雨上がりに突然現れるといわれる、大きな首の妖怪。大きな口を開けお歯黒を見せ笑い、人を驚かせるという。
表記・呼称 | 大首(おおくび) |
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簡易解説 | 雨上がりに突然現れるといわれる、大きな首の妖怪。お歯黒で、大口を開け笑い、人を驚かせるという。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | おどろかす。 |
伝承地 | 山口県 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 『夭怪着到牒』、『今昔画図続百鬼』、『稲亭物怪録』、『近世怪談霜夜星』、『岩邑怪談録』 |
登場創作物 | ゲゲゲの鬼太郎、妖怪大戦争(2005年度版)、朧村正、陰陽師〜平安妖絵巻〜など |
「大首」は、雨上がりの夜空に突然現れるといわれる大きな生首の化け物です。お歯黒で、長い髪という出で立ちで、大きな口を開けて笑うといいます。基本的には驚かせるだけで無害な妖怪です。大首についての記録は、様々な絵巻や怪談集で確認できます。
■夭怪着到牒
江戸時代に刊行された『夭怪着到牒』では、ある荒れ屋敷に現れた大首の話が書かれており、夜屋敷で番をしていた侍の前に突然現れて、「ご苦労」と声をかけ驚かせたという話です。
■稲生物怪録
同じく江戸時代中期刊行の、妖怪にまつわる怪をまとめた『稲生物怪録』では、物置の戸を開けると老婆の巨大な首が出現し、主人公の稲生平太郎が火箸でつついても少しも動じず、ネバネバした感触だった、という話が「大首の怪」の題で載っています。
■岩邑怪談録
山口県岩国の怪談集『岩邑怪談録』の「古城の化物の事」には、ある女が御城山という山でワラビ取りをしていると、一丈(約3メートル)の女の生首に遭遇しにこにこと笑いかけられたという話が載っています。
大首は、首が大きいだけでなく、女性でお歯黒という特徴を持つことが多いのですが、これは既婚女性の証として意味があるそうです。
大首の正体としては、人間の恨みの念が妖怪化したもの、狸や狐が化けたもの、などの説があります。
似たような首の妖怪に「ろくろっ首」、「踊り首」なども知られていますね。ろくろっ首は一見普通の人間に見えますが、首が異常に伸びて浮遊するという化物です。そのインパクトから創作物にもよく登場し、知名度が高いですね。