付喪神(つくもがみ)は、古い道具に宿るといわれる精霊。付喪神が宿った道具を捨てようとすると、恨みから悪戯をされる。
蓑火(みのび)は、湖や人里に現れるといわれる怪火。着ている蓑の端に付き、払って消そうとするほど数が増える。
表記・呼称 | 蓑火(みのび)、蓑虫の火(みのむしのひ)、蓑虫火(みのむしび)、ミノボシ、ミーボシ、ミームシ |
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簡易解説 | 湖や人里に現れるといわれる怪火。着ている蓑の端に付き、払って消そうとするほど数が増える。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 不明 |
伝承地 | 滋賀県、秋田県、新潟県 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 『今昔百鬼拾遺』、『北越奇談』 |
登場創作物 |
蓑火(みのび)は、湖や人里に現れるといわれる怪火です。滋賀県の琵琶湖によく現れるといわれています。小雨の降る日に突然現れ、雨具として着ている蓑の端に、蛍の光そっくりの火の玉がつくといいます。
この火の玉は、多人数でいても1人にしか見えず、同行者には見えないことがあり、この状態を「蓑虫に憑かれた」と表現します。
火なのに熱くはなく、払って消そうとすれば数は増え、やがて全身を覆ってしまうといわれています。しかし払いのけようとせずに、蓑を速やかに脱いだら消滅するそうです。
蓑火と同種の妖怪にまつわる伝承は全国各地にあり、地域によって、蓑虫の火(みのむしのひ)、蓑虫火(みのむしび)、ミノボシ、ミーボシ、ミームシなど違う呼び名があります。
鼬(イタチ)や狸、狐といった動物の妖怪の仕業とも、琵琶湖で水死した人間の怨霊が姿を変えたものともいわれています。
また科学的な観点からは、蓑火の正体は、「一種のガスによる現象」とか「蛍(ほたる)の光」とかいわれています。
似たような妖怪としてよく知られるのは、墓地などにボオっと青白い火の玉として現れる「鬼火」「人魂」、雨の日に沼の上をただよう「川蛍」などがあります。また天狗や狐も、「天狗火」「狐火」「狐の提灯」といった怪しい火を出す妖怪として知られています。