付喪神(つくもがみ)は、古い道具に宿るといわれる精霊。付喪神が宿った道具を捨てようとすると、恨みから悪戯をされる。
朱の盤(しゅのばん)は、真っ赤な顔に皿のように眼光するどい目を持つ妖怪。恐ろしい顔で人を驚かせ、ショック死させてしまう。
表記・呼称 | 朱の盤(しゅのばん)、首の番(しゅのばん)、朱の盆(しゅのぼん) |
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簡易解説 | 真っ赤な顔に皿のように眼光するどい目を持つ妖怪。恐ろしい顔で人を驚かせ、ショック死させてしまう。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 恐い顔 |
伝承地 | 新潟県、福島県 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 『諸国百物語』、『老媼茶話』 |
登場創作物 | ゲゲゲの鬼太郎 |
朱の盤(しゅのばん)は、真っ赤な顔で人を驚かせ、この妖怪にあった者は魂を抜かれるともいわれています。『老媼茶話』、『諸国百物語』には以下のような話が記録されています。
山田角之進という若い武士が、諏訪神社に朱の盤という妖怪が出ると聞き、出向いてみました。するとそこには自分と同じ若い武士がいました。その武士に「ここには朱の盤というものが出るそうであるが、貴殿はご存知か?」と聞くと、「それはこのような者か」というなり、額に角、皿のような目、針のような髪、耳まで裂けた口を持つ、鬼のような真っ赤な顔を見せてきました。角之進はあまりの恐ろしさに気絶しました。ようやく目を覚まし、夜道の中家に急ぎましたが、ひとまず近場の家に飛び込みます。そこでは女房が1人で留守番をしており、安堵して先の出来事を話しました。すると「それは大変な目にあわれました。してその化け物はこんな顔でありましたか」といってまた同じ化物の姿に変わったのです。角之進は家を飛び出し、ようやく自宅に帰れましたが、100日間寝込んだ末に死んでしまったそうです。
のっぺらぼうの話にも似ていますね。驚かされるだけでなく、ショックで死んでしまうというのはかなり恐いです。
真っ赤な顔に耳まで裂けた口、額に角が生え、皿のような目、針のような髪、鋭い牙を持つという鬼を彷彿とさせる姿をしています。牙を噛み鳴らす音はまるで雷鳴のとどろくようだそうです。
朱の盤は元々そこまでメジャーな妖怪ではありませんでしたが、ゲゲゲの鬼太郎のアニメ三期で、ぬらりひょんの手下として準レギュラー出演し、広く知られるようになりました。伝承のような恐ろしい妖怪というよりは、小悪党といった印象が強い役回りです。