木霊(こだま)は、100年以上の年輪を重ねた樹木に宿る精霊。切ったり焼いたりすれば不幸が降りかかるが、供物を捧げるなどすれば恩恵を与える。
山童(やまわろ)は、山に生息する、一つ目で全身毛に覆われている子供のような姿の妖怪。山仕事を妨害するといわれる。
表記・呼称 | 山童(やまわろ)、やまんもん、やまんと、やまんわっかし(山の若い衆)、やまんおじやん(山の伯父やん) |
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簡易解説 | 山に生息する、一つ目で全身毛に覆われている子供のような姿の妖怪。山仕事を妨害するといわれる。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 悪戯,天狗倒しに類する怪異 |
伝承地 | 福岡県,熊本県,山口県 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 和漢三才図会 |
登場創作物 | 地獄少女 |
江戸時代の『和漢三才図会』では、全身毛に覆われた長髪の10歳程度の子供の姿をしていると記録されています。胴長で直立歩行、人間の言葉を話すそうです。
河童が山の中に入った存在とも伝えられています。冬になると河童が山に入り、山童になるのだそうです。山口県ではこれをタキワロウといい、山で遭遇した人は病気になってしまうといわれています。また山の稜線は山童の通り道ともいわれ、ここに小屋などを建てることは御法度です。
東日本では山の怪異は天狗の仕業とされますが、西日本ではそれは全て山童の仕業とされています。
金物を嫌い、斧や鉈で山仕事をしていると妨害してくるといわれます。また悪戯好きともいわれ、牛や馬にちょっかいを出したり、人の家の風呂を勝手に使ったりすることもあるとか。
一方で山童に対して敬意を払って入れば、悪さをせず、酒などを差し入れれば樵の仕事を手伝ってくれるという伝承もあります。山仕事をする時は、薪を立てて山童の許可をとり、採集なども節度をわきまえ取り過ぎなければ、怒りを買わずに済むようです。