二口女(ふたくちおんな)は後頭部に口がある女の妖怪。人前では決して食事をせず、誰も居ない隙を見て数人分の食事を平らげるという。
目競(めくらべ)は無数の骸骨の妖怪。その無数の目で平清盛を睨み付けたという。
表記・呼称 | 目競(めくらべ) |
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簡易解説 | 無数の骸骨の妖怪。その無数の目で平清盛を睨み付けたという。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 巨大化 |
伝承地 | 福原(現・神戸市兵庫区) |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 『平家物語』の『物怪之沙汰』、『今昔百鬼拾遺』、『新形三十六怪撰』 |
登場創作物 |
無数の骸骨の妖怪です。その無数の骸骨が結集して、14〜15丈(約42〜45メートルほどもある一つの巨大な骸骨になることも出来ます。
鳥山石燕の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』で描かれており、詳しいエピソードは『平家物語』の『物怪之沙汰』の中で語られています。
平清盛が都を福原(現・兵庫県神戸市)に移したばかりの頃の話です。ある日朝庭に出ると骸骨が転がっていました。初めは二つの骸骨でしたが、やがて10、100、1000とどんどん増えていき、ついには何千万という骸骨が現れたのです。驚いて助けを呼びましたが誰も来ません。
そしてその骸骨は14〜15丈(約42〜45メートル)もある一つの巨大な髑髏に合体し、無数の目で清盛をにらみつけてきたのでした。そこで清盛も負けじと睨み返したら、跡形も無く消えてしまったそうです。
巨大な髑髏の妖怪としては「がしゃどくろ」が有名ですが、「目競」はそのモデルになったのではという説もあります。
「目競」という名は、原典である『平家物語』にはなく、鳥山石燕が『今昔百鬼拾遺』で命名したものです。平清盛と髑髏の妖怪が繰り広げたにらみ合い勝負にあやかって、「目競」と名付けられたといわれています。