妖怪「小雨坊」の伝承・正体
小雨坊(こさめぼう)は、修験道の霊地で物乞いをする妖怪。雨の夜に現れ旅人から食糧や小銭をねだる。

妖怪「小雨坊」の伝承・正体


妖怪「小雨坊」の伝承・正体
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』より「小雨坊」

 

 

小雨坊の基本情報

表記・呼称 小雨坊(こさめぼう)
簡易解説 修験道の霊地で物乞いをする妖怪。雨の夜に現れ旅人から食糧や小銭をねだる。
危険度 不明
容姿 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型
能力・特性 物乞い
伝承地 奈良県
出現場所 山 水 里 屋敷
記録資料 『今昔百鬼拾遺』
登場創作物 『剣客商売』第二シリーズ11話「妖怪小雨坊」

 

 

 

小雨坊の伝承

小雨坊(こさめぼう)は、鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』で、雨の中に立つ髭を生やした僧侶の姿で描かれています。なんだか悲しげな表情なのも印象的。この妖怪は石燕によるオリジナルであり、『今昔百鬼拾遺』の解説文には以下のように記されています。

 

「小雨坊は 雨そぼふる夜、大みねかつらぎの山中に徘徊して 斎料(ときりやう)をこふとなん」

 

要約すれば、「小雨の降る夜に、奈良県の修験道の霊山である大峰山や葛城山をうろついて物乞いをする」と書かれています。悲しげな表情は同情を引こうとしているのでしょうか・・・。現代以降の妖怪文献でも、旅人から少量の食糧や銭をねだる妖怪として紹介されることが多いですね。

 

ちなみに雨の降る日に現れる妖怪には他にも、ジャンジャン火・蓑火・舟幽霊などがいます。