現代(昭和・平成以降)の妖怪一覧

現代になって生み出された妖怪「がしゃどくろ」

 

現代になって河童や天狗、鬼や狸といった古くから伝承に登場してきた妖怪について語られることは少なくなりました。妖怪の住処たる山・川・森などが、住宅地化、開発されたりしてしまって、その存在が人々の暮らしから遠ざかってしまったことが背景にあると考えられます。

 

また人々が妖怪に対し持つイメージも、「恐怖の象徴」よりも、滑稽でポップで親近感のある「キャラクター」という面が強くなっています。

 

  1. 昔は不思議に思われていた現象も現代ではほぼ科学的に説明が出来るようになった。
  2. 戦後の漫画産業の振興・テレビの普及等で、妖怪漫画・妖怪アニメなどがより多くの人々に見られるようになり、妖怪に娯楽性が強く結びついた。

 

現代におけるこの2つの変化が人々の意識に大きな影響を与えたと考えられます。

 

 

現代妖怪の誕生

現代になってから生まれた妖怪も多数存在し、「がしゃどくろ」「樹木子」などが代表的な例として挙げられます。その他トイレの花子さん、人面犬、口裂け女、テケテケ、くねくね、八尺様、などなど学校の怪談やネット都市伝説から生み出された妖怪もたくさんいます。

 

明治時代に刊行された妖怪の資料

世界怪奇スリラー全集2 世界のモンスター

登場する妖怪:がしゃどくろ

 

「世界怪奇スリラー全集2 世界のモンスター」は1968年に刊行された、世界中の妖怪・悪魔・幽霊・吸血鬼など、異形の化け物を集めた作品集です。この中の斎藤守弘さんによる妖怪記事に「がしゃどくろ」が初めて登場します。

 

「がしゃどくろ」は巨大な骸骨の姿をしており、戦死者や野垂れ死にしたものなど、埋葬されなかった死者たちの骸骨や怨念が集まって生まれたとされます。夜中にガチガチ音を立てながら彷徨い歩き、出会った人に襲い掛かるといわれています。

 

世界妖怪図鑑

「世界妖怪図鑑」は怪奇作家・オカルト研究者の佐藤有文の、日本で最も知名度が高い妖怪本の一つです。今や誰もが知る「フランケンシュタイン」や「ドラキュラ」のような西洋妖怪は、この本の流行で認知が広まっていったともいえます。

 

この本では日本・世界に伝わる妖怪を「動物の妖怪」「人間の妖怪」「人獣の妖怪」「妖獣モンスター」「怪奇映画ベスト10」「世界の超悪魔」と6つに大別して紹介しています。
石原豪人、柳柊二、好美のぼる、斉藤和明など錚々たるイラストレーターが妖怪の絵を手掛けており、読者を妖怪の世界に没頭させます。