付喪神(つくもがみ)は、古い道具に宿るといわれる精霊。付喪神が宿った道具を捨てようとすると、恨みから悪戯をされる。
手の目(てのめ)は、文字通り手に目がついている妖怪。何かを探すように手を前に向けて人に近づく。
表記・呼称 | 手の目(てのめ)、手目坊主(てめぼうず) |
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簡易解説 | 文字通り手に目がついている妖怪。何かを探すように手を前に向けて人に近づく。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 手に目がある。 |
伝承地 | 京都、岩手県 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 『画図百鬼夜行』、『百鬼夜行絵巻』、『諸国百物語』 |
登場創作物 | ゲゲゲの鬼太郎、もののけ草子 |
「手の目(てのめ)」はその名の通り、手に目がついている妖怪です。何かを探すように、目のついた手を前に向けて、人に近づいていくといわれています。ただ近づいていくだけでなく、人に害をなす妖怪であることを示す記録もあり、諸国百物語「ばけ物に骨をぬかれし人の事」では以下のような説話が書かれています。
諸国百物語「ばけ物に骨をぬかれし人の事」より
ある男が京都の七条河原の墓場に肝試しに行ったところ、80歳くらいの老人に襲われたという。その老人は両手には目がついている化け物で、男は驚いて近くの寺に逃げ込んだ。僧に長持ちの中にかくまってもらったが、化け物は追いかけてきた。長持ちのそばで犬が骨をしゃぶるような音をたて、やがて消えていった。僧が長持ちを開けると、骨を抜き取られて皮だけになった男の姿があったという。
鳥山石燕オリジナルの妖怪で、上述した通り手に目があり、顔は目があるのかないのかハッキリしない潰れたような顔をしています。熊本県八代市の松井文庫所蔵『百鬼夜行絵巻』には、石燕の「手の目」から着想を得たと思しき「手の目」とそっくりな「手目坊主」という妖怪が描かれています。
岩手県に伝わる民話では、昔盗賊に襲われて、持っていたお金を全て盗られた上に殺されてしまった、目の不自由な老人の霊といわれています。自分を殺した悪党達の顔を一目見たい、という強い恨みの執念から手に目ができたのだそうです。