木霊(こだま)は、100年以上の年輪を重ねた樹木に宿る精霊。切ったり焼いたりすれば不幸が降りかかるが、供物を捧げるなどすれば恩恵を与える。
山爺(やまじじい)は、山に棲む老爺の姿をした妖怪。動物の骨を大根のように噛み砕き、人の鼓膜を破るほどの大声を発することができる。
表記・呼称 | 山爺(やまじじい)、山父(やまちち) |
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簡易解説 | 山に棲む老爺の姿をした妖怪。動物の骨を大根のように噛み砕き、人の鼓膜を破るほどの大声を発することができる。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 頑強な歯,大声,心を読む |
伝承地 | 高知県をはじめとする四国地方 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 近世土佐妖怪資料、土佐お化け草紙、阿州奇事雑話 |
登場創作物 | ゲゲゲの鬼太郎など |
一つ目一本足の老爺の姿をしているといわれています。身長は3〜4尺(約90〜120センチメートル)と低め、全身ネズミ色の短い毛が覆っており、目は二つあるものの片目が異常に大きいので、一つ目に見えます。またイノシシやサルの骨を大根のように噛み砕く頑強な歯を持っています。
一部に子供や家畜をさらうという伝承があるものの、人を取って食う恐ろしい妖怪として知られる嫁の山姥に比べたら、山爺は大分おとなしい妖怪のようです。餌で手懐けることもできるといわれます。
ただとてつもなく声が大きく、その叫び声は天地を揺るがし、木々を振るわせ木の葉を落とし、岩をも動かすボリュームだそうで、その大声を近くで聞き、鼓膜が破れて死んでしまった人がいるそうです。
また下で紹介している伝承のように、山爺は心を読む能力があるとのことなので、山爺に出会って恐いからといって物騒なことは考えないほうが賢明でしょう…。
●徳島の古書『阿州奇事雑話』からのエピソード。ある木こりが山で仕事をしていると山爺が現れました。恐ろしくていっそ殺してしまおうかなどと悩んでいると、山爺がその考えを読み取り次々と言い当てていきます。木こりは半ば諦め仕事を再開したところ、たまたま薪の木が山爺の方に飛んでいきました。心が読めても偶然の出来事には対応できず、びっくりして逃げてしまったそうです。