妖怪「蓑草鞋」の伝承・正体
蓑草鞋(みのわらじ)は蓑と草鞋の妖怪。凶作時に無茶な年貢の取り立てを強いられた農民の恨みの念が籠もっている。

妖怪「蓑草鞋」の伝承・正体


妖怪「蓑草鞋」の伝承・正体
鳥山石燕『百器徒然袋』より「蓑草鞋」

 

 

蓑草鞋の基本情報

表記・呼称 蓑草鞋(みのわらじ)
簡易解説 蓑と草鞋の妖怪。凶作時に無茶な年貢の取り立てを強いられた農民の恨みの念が籠もっている。
危険度 不明
容姿 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型
能力・特性 不明
伝承地 不明
出現場所 不明
記録資料 『百器徒然袋』
登場創作物

 

蓑草鞋の容姿

蓑の胴体、草鞋の両脚という格好をしています。石燕の画では、雪の中鍬をかついで陰鬱気な表情で立っています。この暗い表情は、以下で解説する蓑草鞋の生まれが関係しているのでしょうか・・・。

 

蓑草鞋の伝承

石燕による創作なので古い伝承はありません。しかし蓑というのは豊作や幸福をもたらすとされる来訪神の多くが身に纏っているものです。農家の人々の念が籠もった妖怪(詳細は以下)ということもあり、蓑草鞋は案外、訪れた農家に恩恵をもたらす神に近い存在なのかもしれません。

 

蓑草鞋の正体・生まれ

凶作の時にも厳しい年貢の取り立てを強いられた農民の恨みの念が蓑や草鞋に移って付喪神になったといわれています。

 

通常付喪神といえば、何十年、何百年経った古い道具に憑くものですが、蓑や草鞋のような経年劣化が早い道具の場合、付喪神が宿るのも早いようです。

 

また蓑や草鞋というのは古くから呪物としても利用されてきましたから、そのような器物は己の呪力によって妖怪化しやすいという面もあるのでしょう。