「高女」(鳥山石燕『画図百鬼夜行』より)
高女は、謎が多く残る背が高く、顔立ちが特徴的な女の妖怪です。彼女は常に人の不幸を喜び、地味で汚れた格好をしていると言われています。この記事では、高女についての正体や伝承、名前の由来などを詳しく解説していきます。
高女の伝承についてですが、男性にまったく注目されない、非常に嫉妬深くて顔立ちが特徴的な女性が死後、高女になると言われています。この妖怪は、鬼であるという説もありますが、詳細は不明です。
有名な話としては、普段は普通の女性の姿をしていますが、何かに嫉妬したり、怒ったりすると、下半身がにゅ?っと2m以上も伸びて、遊郭の2階などで愛し合う男女を盗み見しながら歩くというものです。
和歌山県の伝説によると、顔立ちが特徴的な女性が井戸の中で美女に変わり、井戸からにゅ?っと出てくると言われており、それが高女だという話もあります。夜になると井戸で水浴びをするのですが、その下半身が井戸の底に触れるほど伸びるのだそうな。
まあ不気味極まる妖怪ではありますが、いたずらをするだけで、人を殺めることはないので危険度は低めです。
ただこの高女には「高女房」という仲間の妖怪がいて、こっちはかなり危険です。この妖怪は気性が非常に荒く、一度怒るとすぐに30人以上の人間を食べてしまうと言われています。
高女の正体についてですが、その特徴的な顔と性格のために、男性に注目されずに恨んで死んで、成仏できずにさまよっている女性の霊であるという説が有力です。女性だけでなく、人の恨みは怖いもの。日常の行動には気をつけた方がいいですね。
高女の名前の由来は、下半身が非常に長く伸びることから、高女と名付けられたと言われています。
まとめとして、妖怪高女について解説しました。高女に関する文献は少なく、多くの謎を持つ妖怪です。
2016年8月10日に和歌山県御坊市で、ゲゲゲの鬼太郎の作者がデザインした高女の像が盗まれたという事件がありましたが、近くの海底から発見されました。高女でも、水深4mもあれば、下半身を伸ばして自ら海底から出てくることはできなかったのでしょう・・・。