木霊(こだま)は、100年以上の年輪を重ねた樹木に宿る精霊。切ったり焼いたりすれば不幸が降りかかるが、供物を捧げるなどすれば恩恵を与える。
一つ目小僧(ひとつめこぞう)は額の真ん中に目が一つある坊主頭の子供の姿をした妖怪。山の神が落ちぶれた姿だといわれている。
表記・呼称 | 一つ目小僧(ひとつめこぞう) |
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簡易解説 | 額の真ん中に目が一つある坊主頭の子供の姿をした妖怪。山の神が落ちぶれた姿だといわれている。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 驚かす |
伝承地 | |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 会津怪談集、百怪図巻、化物づくし、化物絵巻 |
登場創作物 |
一つ目で小僧の姿をしており、足は一本足であることが多いです。一つ目片足というのは、人間と神との違いをはっきり区別する為といわれています。
また豆腐を持っている姿で描かれていることもありますが、これは一つ目小僧が豆好きであるという伝承に基づいたものです。
もともとは山の神様で、信仰を失った為に妖怪になってしまったといわれています。その名残として日本各地で片目片足の神様を祭っていたことがわかっています。田んぼで鳥や獣除けとして立てられるカカシは元は一つ目片足でした。
また長野県や新潟県では、カカシは山の神が田の神となった姿と考えられています。そのため、収穫の感謝を示す為に、毎年10月10日に、カカシを田んぼから庭に運びお祝いをする「案山子上げ」というお祭り行事があります。
人前に出て驚かす程度で、特にそれ以上人に危害を加えるという記録はありません。比較的害の少ない妖怪といえるでしょう。
●源義家の家来、権五郎は、戦において片目を矢でいられながらも大変な武勲を挙げ、死後は御霊として祭られました。御霊とは本来人間に恨みを持つ死者の霊魂=怨霊のことですが、権五郎という名が御霊と似ているという理由で御霊として祭られました。片目を神として祭る風習から、最初のうちは信仰を集めていたのですが、時が経つにつれ信仰が薄れ一つ目小僧となってしまったといわれています。
●『会津怪談集』には、会津若松である女の子が8〜9歳くらいの子供に出会い、「お姉さんお金欲しい?」と聞かれ、「欲しい」と答えると、子供の顔には目が一つしかなく、その一つ目で睨まれて気絶してしまったという話があります。