百目のイメージ
百目は、体中に百の目がついた妖怪です。百目は水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』に登場するオリジナルキャラですが、モデルになった妖怪がいるといわれています。
この記事では、百目とそのインスピレーションとなった妖怪について説明します。
百目は水木しげるによる創作キャラといわれていますが、彼の著作『日本妖怪大全』によれば、体中に百個の目がついていることになっています。人に出会うと目玉の一つが飛び出して、どこまでもついていくこともあります。
この百目には、モデルになった妖怪がいました。「百目鬼(どうめき)」と呼ばれる妖怪で、ムカデ退治で有名な平安時代の豪族、藤原秀郷にまつわる伝説に登場します。
藤原秀郷はある老人に頼まれて妖怪退治に出かけたところ、丑三つ時に悪風が吹き、身長が3mもある鬼と遭遇します。
百個の目で四方を見渡すその鬼の胸に秀郷は矢を打ちますが、鬼は死にきれず、本願寺の上人の呪文によって百の目が消えたと伝えられています。百の目が消えた後、妖怪は人の形になり、鬼の死体が残ったそうです。
その場所は百目鬼と呼ばれるようになりました。
また18世紀に書かれた『今昔画図続百鬼』には、「百々目鬼(どどめおに)」という妖怪が描かれています。この鬼は女性で、長い腕に百個の目がついています。伝承では、彼女はお金を盗む癖があり、その金銭の精が腕に取りついて目になったということです。
水木しげるのアニメ作品に登場する百目は、優秀な子どもの目を欲して、子どもをさらう妖怪です。百目のモデルとなった百目鬼も百々目鬼も、人に害をなす怪物でした。
現在、栃木県の民芸品となっているふくべ細工には、鬼面があります。この鬼面は、百目鬼の逸話をもとに、魔除けとして作られたといわれています。そのため百目の正体も、もとは鬼であった可能性があります。
百目という名前は、まさに妖怪の正体を表現したものです。体中に百個の目がついているため、この名がつけられました。百目のモデルとなった妖怪たちも、体や腕に百個の目があるという設定は同じです。
百目は、漫画家の水木しげるによるオリジナルキャラです。体に百個の目をつけているのが特徴となっています。百目のモデルとなった妖怪は鬼として伝えられているため、アニメのゲゲゲの鬼太郎でも「呪い」をかける妖怪として登場しています。
モデルとなった妖怪たちの伝承も楽しみながら、ゲゲゲの鬼太郎の百目をチェックしてみてください。