二口女(ふたくちおんな)は後頭部に口がある女の妖怪。人前では決して食事をせず、誰も居ない隙を見て数人分の食事を平らげるという。
面霊気(めんれいき)は、古い面が化けて出た妖怪。面に憑いた精霊。付喪神の一種と考えられる。
表記・呼称 | 面霊気(めんれいき) |
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簡易解説 | 面霊気(めんれいき)は、古い面が化けて出た妖怪。面に憑いた精霊。付喪神の一種と考えられる。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 空中浮遊?(石燕画より) |
伝承地 | |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 鳥山石燕『百器徒然袋』 |
登場創作物 |
鳥山石燕による妖怪画集『百器徒然袋』では、やつれた老人の面として描かれています。
鳥山石燕の『百器徒然袋』の解説には以下のように記されています。
「聖徳太子の時、秦の川勝あまたの仮面を製せしよし。かく生けるがごとくなるは、川勝のたくめる仮面にやあらんと、夢心におもひぬ。」
文中にある秦河勝という人物は飛鳥時代に生きた聖徳太子の右腕といわれる「申楽」(能・狂言の原型)の始祖です。そんな面にゆかりのある彼がつくった優れた面だからこそ何か霊的なものが宿り「面霊気」になるのではと述べています。秦河勝のルーツは秦の始皇帝ともいわれており、その血筋が常人より大きな霊力があったのではないでしょうか。
また多田克己 『幻想世界の住人たち IV 日本編』の中では、面霊気は優れた面が古くなって魂を宿した付喪神であり、持ち主に大切に扱ってくれるよう頼むと解説されています。
とくに人間に危害を加えたという伝承はありませんが、付喪神というのは古くなった道具に宿る精霊です。捨てられたら、恨みで元の持ち主を祟るともいわれるので、古い面の扱いには要注意です。