付喪神(つくもがみ)は、古い道具に宿るといわれる精霊。付喪神が宿った道具を捨てようとすると、恨みから悪戯をされる。
産女(うぶめ)は妊婦の妖怪。通りがかる人に「赤ん坊を抱いてくれ」と声をかけ、抱くと、だんだん重くなり、やがて身動きとれなくなるという。
表記・呼称 | 産女(うぶめ) |
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簡易解説 |
産女(うぶめ)は妊婦の妖怪。通りがかる人に「赤ん坊を抱いてくれ」と声をかけ、抱くと、だんだん重くなり、やがて身動きとれなくなるという。 |
危険度 | ★★★★★★★★★★ |
容姿 | 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型 |
能力・特性 | 大力を授ける。 |
伝承地 | 福島県、佐賀県、長崎県、茨城県、愛媛県 |
出現場所 | 山 水 里 屋敷 |
記録資料 | 『百怪図巻』、『画図百鬼夜行』 |
登場創作物 | 姑獲鳥の夏、水木しげる/マンガ日本の古典 今昔物語 |
産女はの妊婦の妖怪です。橋や辻、渡し場などに、血に染まった腰巻をまとった女性が赤ん坊を抱いて現れます。通行人に「赤ん坊を抱いてくれ」と声をかけ、言われるがまま抱くと赤ん坊はだんだん重くなり、ついには身動きが取れなくなってしまうといわれています。
重みに耐えた先の展開は、気がつくと赤ん坊は実際は木の葉や石だった、力持ちになった、財宝をくれた、など伝承により異なります。
また赤ん坊をさらうという伝承もあります。
産女は出産が元で亡くなった女性の霊が化けたものです。今のように医療技術が発達していない時代は、出産が原因で亡くなることは珍しくありませんでした。命がけで命を繋ぐ時代です。生命誕生の神秘に対する信心は今よりずっと強く、当時の人々の信心が産女を生んだといえます。その他以下のような言い伝えが存在します。
■赤ん坊を預ける理由
⇒産女が自分は死んでも子供だけは生きてほしいとう思いの表れともいわれています。
■産女になる理由
⇒難産で亡くなった人を、そのまま墓に埋葬すると産女になると信じられていました。そのため、昔は亡くなった妊婦から胎児を取り出し、抱かせてあげることで成仏を祈ったそうです。