妖怪が出る場所

妖怪が出る場所は、妖怪によって異なりますが、大別すれば山・海・川・里・屋敷の5ついずれかの場所になります。古来より日本人にとって、自然は特別な場所でした。自分が住む現世と違う次元にある、神々が住まう世界と考えていました。荒波、土砂崩れ、洪水、干ばつなど、人を苦しめる自然災害は神の怒りと考えていたのです。そして神のうち人間に悪さをするものは、落ちぶれた神=妖怪と信じるようになりました。そして妖怪が姿を現すのは、現世と他界の境界、すなわち人がよく足を踏み入れる場所です。

 

また自然とは離れた家の中であっても、普段使わない部屋やめったに行かないような空間は、「非日常の空間」として、他界との境界になると考えられました。夜に妖怪が出没するのも、日中活動する人間にとって夜というのは非日常な空間な為です。

 

 

昔から、山の中は霊的な力が蔓延る世界だと考えられてきました。山の妖怪は、山で仕事をする人にとっては、身近な存在であると同時に恐れの対象でもありました。山の妖怪には鬼、天狗、山姥(やまうば)、山爺、山童(やまわろ)、一つ目小僧、大ムカデ、ダイダラボッチなどが挙げられ、山の神が姿を変えたものだと考えられていました。ただし人が足を踏み入れたこともないような山奥には出現しません。

 

水辺

私たち人間は水中で息をすることができません。潜ることができるのは、せいぜい息が続く範囲であり、今も昔も水の中というのは人間にとって未知の世界でした。そして昔の人々は、水中に対する畏怖の念から様々な妖怪を生み出しました。河童、海坊主などは水中の妖怪として有名でしょう。特に海はとても深く、今のように潜水技術が発達していない時代は、海底は異界に繋がっていると考えられていました。

 

屋敷

妖怪というのは山や海、川など自然の中で出現するというイメージが強いと思います。人知を越えた現象が多い自然というのは、畏怖や信仰を集めやすいので、必然的に妖怪は多くなります。
しかし人が住む屋敷や、使う道具にも妖怪は潜んでいます。昔から、家が新しく建てられると、そこには新しい霊が宿ると信じられてきました。そして建物が古くなるほど霊は大きくなり、人前に現れ、危害を加えたり、あるいは恩恵をもたらすこともあるのです。
旧家に出る「座敷童」、風呂場に出る「垢なめ」、古着に憑く「小袖の手」などまた猫や鼠なども屋敷に出る動物タイプの妖怪とされていました。また古い道具には付喪神という精霊が宿り、捨てたり放置したりすると悪戯をされるともいわれています。

 

昔の人々は、道の辻や川を現世と他界の境界だと考えていました。辻は神を祭ったり、亡くなった人の魂を送る場所だったのです。また川にかけられる橋は、向こうの世界とこちらの世界をつなぐものだとされ、橋には、賽の神や道祖神などを祭っていました。これは妖怪が境界を越えて人間の世界に入ってこないようにする為です。

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