妖怪「がしゃどくろ」の伝承・正体・名前の由来

「がしゃどくろ」(歌川国芳『相馬の古内裏』より)

 

「がしゃどくろ」とは、きちんと葬られなかった無数の髑髏(どくろ)があつまってできた巨大な髑髏の妖怪です。当記事では、そんながしゃどくろについて、その正体・伝承・名前の由来などに焦点を当てて、詳細に解説していきます。

 

 

がしゃどくろの伝承

がしゃどくろは昼間は髑髏を巻いて眠っており、夜中の2時になると、どこからともなく「ガチガチ、ガシャガシャ」と音をたててあらわれては、手当たりしだいに人を襲う残忍な人喰い妖怪です。その大きさはなんと10m程、重さは1トンにもなるのだとか。

 

インパクトではトップクラスの妖怪ですね!こんな巨大な髑髏が暗闇から突然、目だけを黄色く光らせてあらわれたら誰だって飛び上がっちゃいますよね。

 

一説では、平将門(たいらのまさかど)の娘で、妖術使いである滝夜叉姫(たきやしゃひめ)が陰陽師との応戦の際に、相馬の城の古内裏にて呼び出した髑髏の妖怪が、がしゃどくろだったといわれています。

 

がしゃどくろと一緒に登場することが多い、この滝夜叉姫の墓は、茨城県のつくば市松塚の東福寺から200mほど離れたところにある塚だそうです。

 

がしゃどくろの正体

がしゃどくろの正体は、殺されたり、のたれ死などで、誰にも気づかれず埋葬されなかった死者の「骸骨」や「恨み」があつまったものだとされています。

 

ですが、実はこの妖怪、昭和中期に作られた妖怪というのはけっこう有名な話。

 

がしゃどくろが初めて登場するのは1968年に出版された本「世界怪奇スリラー全集2 世界のモンスター」の中の斎藤守弘さんが書いた記事の中で生まれました。現在に伝わる姿は浮世絵師・歌川国芳が滝夜叉姫の闘い「相馬の古内裏」で描いた巨大な髑髏が使われています。

 

がしゃどくろの名前の由来

ガシャガシャと音をたてて歩く姿から「がしゃどくろ」と名づけられました。予想を裏切らないところが笑えますね!漢字では「餓鬼のように飢えて人を喰らう髑髏」であることから「餓者髑髏」と表現されることもあります。

 

がしゃどくろのまとめ

以上、妖怪がしゃどくろについて解説させて頂きました。いかがだったでしょうか?

 

妖怪がしゃどくろは古い文献などにも登場しないほど新しい妖怪なのに、こんなに広く知られているのは、やっぱりインパクト大で、いかにも妖怪です!って風貌が気に入られたからでしょうね。

 

そんな、がしゃどくろが登場するアニメ作品は、「ゲゲゲの鬼太郎」(3作目の第71話、4作品目の第11話、5作品目の第2話)や「ぬらりひょんの孫」(2作目の第8話)などがありますので、気になった方はチェックしてみてくださいね。