妖怪「夜叉」の伝承・正体・名前の由来

夜叉のイメージ

 

夜叉」とは、もともとは古代インドで残忍かつ暴力的な「人を食べる半神半鬼の鬼神」として扱われていた化け物です。男の夜叉を「ヤクシャ」、女の夜叉を「ヤクシー」または「ヤクシニー」と呼んでいたそうです。

 

日本にも夜叉の伝承がありますが、インドのヤクシャ、ヤクシーが元になっています。当記事では、日本に伝わる夜叉について、その正体、伝承、名前の由来などに焦点を当て、詳細に解説していきます。

 

 

夜叉の伝承

日本で伝わる夜叉とは、鬼や女が鬼になった存在 (妖怪)として扱われることが多いですが、その元となったのは北インドで信仰されている豊穣な大地と水をつかさどる善神「ヤクシャー」です。その姿は鎧をまとった小人なんだとか。日本では怖いイメージがある夜叉(ヤクシャー)ですが、もともとは善き神様として崇められていたんですね!

 

ですが、この善神である夜叉(ヤクシャー)は、のちに異種族におとしめられたせいで、残忍で暴力的な人を食べる半神半鬼の悪鬼神となってしまったそうです。その異種族はいったい何をたくらんでそんな恐ろしい事を実行したんでしょうね?恨みでもあったんでしょうか?

 

ただ夜叉の伝承はここで終わりではありません。

 

1度、悪神にまで落ちてしまった夜叉(ヤクシャー)ですが、のちに仏教に取りこまれ、釈迦に説法されたことにより、仏法を守護する8つの種族「八部衆」の1人となり、現在では「毘沙門天」の眷属として北方の守護を任されているそうです。

 

夜叉の正体

夜叉の正体は、伝承される国々でさまざまな解釈がされておりますが、水を崇拝するモノ「樹木の精霊」であるという説が有力です。

 

ちなみにスリランカにも夜叉(ヤクシャー)は伝えられており、そこでは、「ヤカー」という名でよばれ、その正体は「病魔」であるとされているそうですよ。日本で夜叉の正体は「鬼のように恐ろしい風貌をした、とてつもなく強靭な体躯をもつ男」という説もあるようですね。

 

夜叉の名前の由来

夜叉(ヤクシャー)の名の由来は、不思議な力という意味の「yaksan」と水を崇拝するという意味の「Yasi‐」をかけあわせて夜叉(ヤクシャー)と呼ばれるようになりました。

 

夜叉のまとめ

以上、妖怪夜叉について解説させて頂きました。夜叉は国によって姿かたちや、扱いがさまざまで、その七変化ぶりが面白いですよね!

 

有名な妖怪アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」では1作目の2話、3作目の10話、4・5作目の3話、6作目の86話に登場していて、その回ごとに違う夜叉を見ることができますよ!よかったらこちらもチェックしてみてくださいね!