妖怪「元興寺」の伝承・正体|残忍の極み!ぬらりひょんの孫にも登場
元興寺(がごぜ)は僧の姿をした鬼の妖怪。毎夜寺に現れ、鐘つき童子を食い殺すといわれる。

妖怪「元興寺」の伝承・正体|残忍の極み!ぬらりひょんの孫にも登場


妖怪「元興寺」の伝承・正体|残忍の極み!ぬらりひょんの孫にも登場

『化物づくし』より「がごぜ」

 

 

元興寺の基本情報

表記・呼称 元興寺(がごぜ、がごじ、ぐわごぜ、がんごう、がんご)
簡易解説 僧の姿をした鬼の妖怪。毎夜寺に現れ、鐘つき童子を食い殺すといわれる。
危険度 ★★★★★★★★★
容姿 人間型 動物型 植物型 器物型 建造物型 自然物型
能力・特性 残忍
伝承地 奈良県
出現場所 山 水 里 屋敷
記録資料 『日本霊異記』、『本朝文粋』、『扶桑略記』、『水鏡』
登場創作物 鬼太郎国盗り物語(第2巻)、ぬらりひょんの孫、ガゴゼ(アントンシク作)

 

元興寺の伝承

元興寺(がごぜ)は非常に歴史のある妖怪で、様々な説話集でガゴゼにまつわる話が語られており、有名なのは平安時代初期に書かれた『日本霊異記』です。この中でガゴゼは、「奈良にある元興寺(がんごうじ)という寺に住み着いており、毎夜寺に現れ鐘つき童子を食い殺す」などと記録されています。

 

他の説話でも似たり寄ったりな残忍さで、その恐い言い伝えから、言うことが聞かない子供には「ガゴゼにあわせるぞ」などといって脅したといいます。多分「妖怪残忍さコンテスト」でもやれば、間違いなく上位進出でしょう。しかし危険度を★一つ減らしたのは、ガゴゼは無敵の妖怪ではないということです。伝説の一つにはガゴゼが雷神の力を授かった農夫の子供に退治される話があります。

 

元興寺の容姿

ガゴゼの言い伝えは飛鳥時代まで遡るものの、その容姿は江戸時代中期に鳥山石燕によって始めて描かれました。僧の姿をした鬼の絵で描かれていることが多いです。

 

元興寺の名前の由来

元興寺(がごぜ)の名前の由来は、この妖怪が居着いたと言われる実存する寺の名「元興寺(がんごうじ)」に由来しているのですが、地方によって呼び名は異なり、他の呼び名としては「ガゴジ」、「ガンゴ」、「ガガモ」、「ゴンゴンジー」などがあります。
また昔は、「物の怪」、「百鬼」、「鬼」、「魑魅魍魎」など地方によって「妖怪=異形の化け物」を指し示す言葉は違ったわけですが、「ガゴゼ」が妖怪を指し示す言葉として使われた地方もあったそうです。

 

元興寺の正体・生まれ

ガゴゼは、寺で悪さをした者が化けた姿といわれています。